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3月定例能

2021年3月7日
定例能M

3月定例能

日時

3月7日(日) 午後1時開演(正午開場)

会場

石川県立能楽堂(金沢市石引4丁目18-3)

入場券

前売り一般 2,500円/当日 3,000円
若者割※(30歳未満・当日のみ) 1,000円 ※受付にて年齢を確認できるものをご提示ください。
中学生以下 無料

石川県立能楽堂、石川県立音楽堂チケットボックス、金沢能楽会事務所で前売り券を販売しております。

チケット販売サイト「カンフェティ」でご購入の場合は下記の「チケットを購入する」ボタンより、チケット販売サイト「カンフェティ」に移動してください。

お問い合わせフォームからもチケットをご予約いただけます。
【お問い合わせ内容】は「前売り券申し込み」を選択、必要枚数を【お問い合わせ内容詳細】欄に記入し、その他必要事項をご入力の上お問い合わせください。当日、会場受付にてお名前をお伝えいただき、前売り券の枚数分の代金と引き換えにチケットをお受け取りください。

  • 番組表
  • 解説

2021年3月定例能番組表

【能】嵐山(あらしやま)

後嵯峨院が吉野千本(ちもと)の桜を移植して以来、都の西嵐山は花の名所となりました。その花盛りに勅命を奉じて花見に急ぐ臣下たち(ワキ・ワキツレ)がいます。雲に見まがう満開の山桜、行き交う花見車の列、夕日に映えて走る雲、白波を染める滝の落花など、眺め渡して心を奪われたのは彼らだけではありません。いつの間にか現れた老人夫婦(前シテ・前ツレ)は、花の下を清め深く信仰する様子です。嵐山の花には吉野の木守(こもり)・勝手(かつて)の神が影向(ようごう)し、嵐に神風を吹き返して花を守り、迷いの雲を晴らすのだといいます。夫婦が自らをその神々であると明かして南方へ去ったあと(中入)、夜桜の嵐山に神遊びの楽が響き、木守・勝手の神々(後ツレ)に続いて、吉野金峰山(きんぶせん)の蔵王権現(ぜおうごんげん)(後シテ)が南風に乗って飛来します。神遊びを奏する木守・勝手も、悪魔降伏(ごうぶく)の眼光鋭い蔵王権現も同体異名の姿です。国土を照らし衆生(しゆじよう)を守る誓いのままに、花の嵐山に輝く金峰山を現出させます。

【狂言】柑子(こうじ)

昨夜のお呼ばれには三つ成りの柑子が振る舞われました。太郎冠者に持たせておいた大名は呼び出して柑子を受け取ろうとしますが、一つは槍に結い付けて落とし、また一つは懐に入れて刀の鍔(つば)でつぶし、どれも食べたと申します。残る一つについて太郎冠者は哀れな俊寛の物語を聞かせます。鬼界が島の流人三人のうち二人は許されて六波羅に、二つの柑子も太郎冠者の腹に納まったとなると、島に残る俊寛の分の一つはどうしたのでしょう。

【能】東岸居士(とうがんこじ)

遠国(おんごく)方の者(ワキ)が都に上り、今日は清水寺(せいすいじ)へ参ろうとして、東岸居士(シテ)に出会います。先師自然居士(ぜんじじねんこじ)の架けた白川の橋のたもとで同じく衆生(しゆじよう)に仏縁を結ばせようと、東岸・西岸の居士が勧進する評判は知れ渡っているようです。その素性を聞いても、髪も剃らず墨染めの衣も着ない居士は、自然と仏道に入り折に触れ事に渡って悟りに至ると答えます。居士はまた所望に応じて、いつものように歌舞を方便として仏法への帰依を勧めます。末世に生まれた衆生は生死(しようじ)の転変(てんべん)を繰り返し、絶えず十悪を犯しているが、仏の教えに従って皆で浄土へ到達したいという居士は、さらに松吹く風や白川の波音、橋の上を連れ立って通る人々の衣擦(きぬず)れの音に合わせて、羯鼓(かつこ)を打って舞います。橋を隔てた向かいは東岸、こちらは西岸、間を流れる川波のさざ波は簓(ささら)、打つ波は鼓の音に似ています。極楽の歌舞の菩薩(ぼさつ)の音楽と聞きなせば、雪と氷を区別する意味もないと悟れそうです。

(西村 聡)